遺伝でLDLコレステロール値が高くなる

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昔から、そんな乱れた食生活をしているわけではない。

どちらかというと、食生活には気を使っていて、野菜を中心に栄養バランスも考えた食事を心がけている。

体を動かすことも好きで、子供のころからスポーツをやり続けていて、体型も筋肉質なほうである。

なのに、健康診断の結果、コレステロール値が異常に高い。

なんで?

・・・。

そういえば、父親もコレステロールが高くて、毎日薬を飲んでいるなあ。

もしかして、遺伝?

LDLコレステロール値が高い原因には、食事をはじめとする生活習慣だけで起こるのではなく、遺伝性の病気が原因である場合もあります。

これを、家族性高コレステロール血症といいます。

Familial Hypercholesterolemiaといい、略してFHとよばれることもあります。


家族性高コレステロール血症とは

家族性高コレステロール血症の患者さんは、LDLコレステロール値が生まれつき非常に高いのが特徴です。

LDLコレステロール値の基準値は140mg/dL以下ですが、180~400mg/dLと大幅に超える値となります。

家族性高コレステロール血症は、生まれつき血液中の悪玉コレステロールである、LDLコレステロールが異常に増えてしまう病気です。

体質的にLDLの処理機能に異常があるために起こります。

通常の人は、LDLコレステロールは肝臓の細胞表面にある「LDL受容体」というタンパク質によって、細胞の中に取り込まれ、処理されるため、血液を流れるLDLコレステロールの量は一定に保たれています。

ところが、生まれつきLDL受容体がなかったり、少なかったりするのです。

このせいで、LDLが肝臓や細胞内に取り込まれなかったり、取り込まれにくかったりするため、LDLが血液中に溜まって、LDLコレステロール値が高くなるのです。


家族性高コレステロール血症のタイプ

家族性高コレステロール血症には2つのタイプがあります。

・ホモ接合体タイプ

両親のどちらからも異常な遺伝子を受け継いで、LDL受容体が生まれつきないタイプです。

LDLコレステロール値が500~900mg/dL

人工100万人に1人くらいの割合で、きわめてまれです。


・ヘテロ接合体タイプ

片方の親から異常な遺伝子を受け継いで、LDL受容体が正常な人の半分ぐらいしか働かないタイプです。

LDLコレステロール値が150~420mg/dL

人工500人に1人くらいの割合で認められ、珍しくはありません。


日本では合わせて、25万~64万人の患者さんがいると推定されています。

LDLコレステロールが高いと診断された人の8.5%が、家族性高コレステロール血症(FH)だという調査結果も出ているそうです。

また、家族の1人がFHと診断されたら、その家族では2人に1人がFHになるといわれています。

どちらのタイプも普通の人と同じ食べ物を食べていても、子供のころからすでにLDLコレステロール値が高くなっています。

このため、若い年齢で動脈硬化を発症し、心筋梗塞などの命に関わる病気を起こすこともあります。

なので、できるだけ早期に 、LDL コレステロール値や家族歴によって診断することが望ましいです。


家族性高コレステロール血症(FH)の症状や治療法は?

子供のうちは詳細な検査をする機会が少なく、コレステロール値が高いだけで、特に症状といったものはありません。

なので、大人になってから初めて知るということも少なくありません。

10歳台後半から、ひじやひざ、手首、尻、アキレス腱、手の甲などの皮膚(とくに関節部)に、黄色腫と呼ばれるコブのような黄色っぽい隆起が現れることがあります。

通常の高コレステロール血症の治療においては、食生活や運動習慣の改善がとても大切だとされています。

もちろん、家族性高コレステロール血症(FH)においても、正しい生活習慣を身につけることは重要です。

ただ、それだけではなかなかLDLコレステロール値は下がりません。

なので、同時に薬物療法での治療が必要です。